シロアリが好む環境、発生しやすい場所

シロアリが発生しないようにするには、シロアリが好む環境を作らないことが大切です。好む環境や発生しやすい場所とはどんなところなのでしょうか?

シロアリが発生しやすい環境の条件とは?

シロアリが発生しやすい環境の条件とは、次の3つです。

  1. シロアリにとっての心地よい環境(クロアリなどの外敵がいない、湿気があり乾燥していない)
  2. 食べ物がある(植物の根、丸太、木材の破片など)
  3. 水がある(生息に必要な水分がある)

この中でも最も重要なのは「水」です。シロアリの好む場所を完全なものにする大きな要素です。シロアリにとって最適な環境とは、じめじめした湿気の多い場所だと言えるでしょう。そう考えると、家でもっともシロアリが発生しやすいのは、水を使用する風呂場・洗面所・トイレ・台所の流し、その付近の土台・床・柱だと考えられます。

この他にも、シロアリの発生が考えられる場所は、住まいの中でも以下のようなものがあります。

<室内>

  • ・和室
  • ・屋根裏・天井裏
  • ・リビング
  • ・その他の部屋

<水まわり>

  • ・お風呂
  • ・トイレ
  • ・洗面
  • ・台所

<室外>

  • ・玄関
  • ・ベランダ
  • ・ウッドデッキ
  • ・植木
  • ・庭
  • ・庭木
  • ・畑

かなり広範囲にわたって、さまざまなものがシロアリの発生場所になることがわかります。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

室内でシロアリが発生する意外な場所

和室

シロアリは畳を食べます。イグサの香りに誘われてシロアリが畳に被害を与えることがあります。畳の裏にシロアリがいる可能性があります。また、敷居柱の中にシロアリは入りやすく、触ると軽い音がする場合、内側にシロアリの被害があることがあります。

リビング

リビングにはいくつもの家具を置くことが多いですが、特に最近では輸入家具を好んで置く人が増えてきています。この輸入家具にアメリカカンザイシロアリが紛れ込んでいることがあります。アメリカカンザイシロアリは、その名の通り北米大陸原産の外来種であるシロアリで、近年、輸入家具に交じって国内に入りこみ、増加傾向にあります。カンザイとは乾燥された木材のことで、これを好んで食べる習性があります。

屋根裏・天井裏

シロアリの蟻道は垂直方向に作られていることがあり、家の中でも高い位置にある屋根裏部屋や天井裏へ簡単に侵入します。また、雨漏りが発生すると、濡れた木材を求めて天井裏などにシロアリが侵入することがあります。

その他の部屋やもの

ピアノがターゲットになることもあります。木を主に使った楽器なだけにシロアリが発生しやすく、内側を中心に被害が確認されることもあります。 床暖房が設置されている部屋も床暖房の影響で床下の温度が上がり年間を通じてシロアリが活動しやすい環境になります。

水まわりでシロアリが発生する意外な場所

風呂場

水を大量に扱う場所なので、必然的に湿気がたまりやすく、シロアリが好む環境になります。また脱衣所も濡れたまま入る場所だけに湿気がたまりやすく、風呂場から脱衣場という流れでシロアリ被害は拡大します。

トイレ

日常生活の中で最も多く使用される水回り箇所です。床張りやタイル張りといった作りが多く、木材部分が露出していないことが多い場所です。そのため、トイレが被害に遭っていることを気づかずに被害が拡大してしまっていることもあります。

洗面所

洗面所も日常生活で欠かせない水回り箇所です。水やお湯が飛び散ってカビを発生させたり、シロアリを呼び寄せてしまうことがあります。水が飛び散ってしまったりした時にはこまめにふき取り、湿気をためないように注意する必要があります。

台所

冷蔵庫など家電製品が多くある台所はその電化製品が発する熱でシロアリを寄せ付けると考えられています。床下収納がある家もありますが、頻繁に開け閉めがされないことが多い場所なので、空気の入れ替えがされず、湿気が溜まってシロアリが発生しやすくなっています。床下だけに、地面の下なので、地中に蟻道と呼ばれるトンネルを掘って進むシロアリが侵入しやすい場所なので注意が必要です。

室外でシロアリが発生する意外な場所

玄関

玄関によく使われている「かまち」や「巾木(はばき)」などの木材は地面から近い位置にある木材なので、これをシロアリが狙って侵入してくることがあります。ドアの枠が木製の場合も注意が必要です。玄関の対策としては周囲に花壇を作らない、ということが言われます。土があるとシロアリの発生源となる羽アリが寄り付く安くなりますので、土を玄関近くに置かないことが対策となります。

ウッドデッキ

近年ベランダや庭にウッドデッキを設置する人が増えていますが、雨風にさらされますので、木材が湿り、腐食することが多く、シロアリが好む場所になります。ウッドデッキと言ってもプラスチックを混ぜたものや、人工木などを使用したものもありますので、シロアリ対策にはこのような素材を選ぶことも対策になります。

ベランダ

ベランダは外に向いているため、全般的に虫が表れやすい場所ですが、シロアリの羽アリも、同じく飛んできやすい場所です。またエアコンの室外機を設置しているところが多いですが、排出される水によって、湿りやすく、シロアリが好む場所になる可能性があります。雨が直接吹き込んで、水が溜まる場合もありますので、注意しましょう。

植木

シロアリは地中に棲む虫なので、庭にある植木を目指して飛んできて、植木自身を食べてしまうこともあります。そして、植木にだけでなく、植木の置かれている家にまで侵入する可能性があります。家の植木や植木鉢は日々状態を確認し、掃除を怠らないように対策をする必要があります。

庭木

シロアリは木が主食なので、植木も被害に遭います。本来は枯れ木などを食べて、土に還す役割を持っているシロアリですが、元気な木を狙う場合もありますので、住人にとっては大敵です。被害にあってしまった木は倒れてしまう可能性がありますので、庭木にシロアリが見つかった場合も駆除が必要です。

庭でガーデン用のプランターを使っている場合はシロアリがプランターの土壌で発見される場合もあります。また、枕木を設置している場合は隙間にシロアリが入り込んでいる可能性もありますので、確認しましょう。

どんな家にシロアリは発生しやすいのか?

このように、シロアリが一般的に好む場所は、住居にはいくつもありますが、できるだけシロアリの侵入・発生のない住環境にしておきたいものです。それでは、どのような家にはシロアリが発生しやすいのか具体的にみていきましょう。

シロアリが発生しやすい住まい、9の特徴

雨漏りがあり、壁・床・柱に水がしみている

外壁のわずかなひびからでも水が入り込むこともあるので、壁や家の木材に水分がしみこむとシロアリが好む環境になります。

床下が低い、換気口が少ない

床下の空間が狭く、換気口が少ないと風の通りが悪くなります。空気の動きを嫌うシロアリにとっては最適です。

押入れがかび臭い

カビとシロアリの発生とは直接には関係ありませんが、カビが発生している環境は湿気が多いということなので、シロアリの好む環境だということです。

家の周囲に川や池、井戸がある

この土地の地下水位が高いということなので、地盤に含まれる水分が多いということです。したがって、床下から上がってくる湿度も当然高くなるということを知っておいた方がいいでしょう。

建物の周辺に廃材や家具などが放置されている

木材である廃材や家具が地面に直接置かれていると土の中のシロアリが外気に触れることなく木材にたどり着き、シロアリの住処なってしまいます。建物の基盤の近くにこれらがあると建物の構造部分に間違いなくシロアリは侵入していきます。

枕木や木製の柵がエントランスに使用されている

エントランスに木製の柵や敷石のように木材を使用しているところもありますが、地面と木材が接しているとシロアリが地面から入り込んできやすくなります。

狭い庭にたくさんの盆栽や植木がある

密集していると木材と木材の間をシロアリが行き来しやすくなり、発生しやすくなります。

屋上ガーデンがある

屋上に植物を植えたり、木製の柵やベンチを設置しているとシロアリが室内に侵入する可能性があります。床下から屋上へは這い上がりませんが、羽アリが屋上に着地することがあります。直接雨の降り注ぐ屋上にある植物や木材は適度な湿度を含むため、シロアリの格好の住処になります。

ツーバイフォー住宅

ツーバイフォー住宅は従来の工法に比べ、耐震性に優れていますが、空気の出入りが少ないパネル構造で、パネルに湿気が侵入するとシロアリの暮らしやすい住処となっていまいます。もしも、シロアリ被害が分かった場合、従来工法なら被害部分のみを入れ替えることができますが、ツーバイフォー工法の場合は壁一面を取り変えなくてはいけません。

マンションなら安心?

シロアリが発生するのは木造の戸建て住宅だけと思いがちですが、集合住宅であっても、シロアリの被害がない、というわけではありません。

2階から4階は地面から比較的近く、羽アリが飛んできやすい高さであり、蟻道を使っても上りやすい高さです。特に2階部分の室内で発見されることが多く、マンションであっても1階と共に、2階も対策は検討する必要があるでしょう。

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