株式会社テクノコントロール様

極力、薬剤は使わないようにしたい。駆除ではなく環境改善をしてねずみや害虫を止めることが目標です。

害虫駆除業者の研究室にいらっしゃった経験を活かし、 工場・施設などの環境衛生コンサルティングをされている代表の松谷様にインタビューしてまいりました。

目次

もともとは工場のコンサルティングを始めたくて会社を設立したんです

虫の研究員として何年かお仕事をされていたんですよね?
テクノコントロール 松谷様(以下 松谷):そうですね。20年くらい勤めていました。それで、会社を起こしたのが13年前ですから、この業界に入って30年以上になりますね。
最初の会社では研究室に篭っていらっしゃったんですか?
松谷:多くは研究でしたが、もちろんその中にも作業したり営業したりという流れはありました。基本的に虫を採ってきて、虫を調べてみるということをやっていました。
なぜ会社を起こそうと?
松谷:研究を活かして、もっと工場のコンサルティングをしたいなと思っていたんです。総合的に虫に対してのコンサルティングをしていきたいなということで、独立しました。現在、東北でも、虫を調査して検定をしている会社ってほとんどないんですよ。
例えば仙台で、わからない虫がいた場合には、東京の業者の研究室に送って、東京で調べてまた戻ってきてその結果をお客様へ報告するというような形です。
独自で調べれば即時対応できるって会社がなかなかないものですから、そこを目指したんです。現在、工場関係とかいろんなところをやっていますが、そこで捕獲した虫をその場で調べて、その場で報告をして帰ってくるという業務もやっています。
それは松谷さんが現地で見てですか?
松谷:まあ私も行きますし、うちの社員も行きますし。
社員の方も詳しいわけですね。
松谷:そういった体制にしないと統一的な管理はできないので。以前は、何という虫がいるのかわからないけど薬をとにかく撒いてというスタイルがほとんどだったんですね。それで、我々が始めたのは、必要のないところに薬を撒いてもしょうがないですし、極力薬を使わないほうがいいですので、それだったらきちんと調べて必要なところに必要な処置をしましょう。そういうスタイルで始めていったんですね。
時代の流れで、できるだけ薬を撒くかないという体制に切り替わってきていて、当社とマッチングしたのです。だから、基本的に薬を撒いて駆除するという仕事とはちょっと違うんです。できるだけ薬を使わないで、物理的に改善するとか、人間の意識的に改善をしていったりだとか、社員教育をしたりだとかそういうことで虫を止めていくわけです。

教育っていうのはお客様のでしょうか?
松谷:そうです。お客様の社員様への教育を我々がするんです。虫を止めるために清掃方法だとか、工場のラインの流れをここはいけないんでこう変えてくださいとか。そういった総合的なコンサルティングをしていくということですね。
駆除をするんじゃなくて、衛生管理の総合コンサルティングですね。
松谷:そうですね、駆除をするのではなくて、もうそこに虫やねずみを入れないようにすることですね。もちろん入ってしまったものに対して捕まえたり駆除したりすることも必ず出てきますが、基本的には入れないようにすることが第一の目的です。
そういった仕事がメインです。

「駆除をする」ではなく「害虫を侵入させない環境づくりをする」ことが目標です

お客様は食品加工業者さんなどですか?
松谷:食品加工業者さんありますし、薬品会社、包材工場、プラスチックの成形工場、紙やダンボールの製造工場、薬品メーカーに資材を納めている業者様ですね。その他、スーパーマーケット、飲食店、病院、ホテル等たくさんあります。
包材ですか?
松谷:印刷屋さんもそうですが、印刷するときに虫が入り込んで、虫の上にインクがのってしまったとかね。いろんなことありますんで。結局虫が入ってこない、虫がいれば何らかの問題は起こしてくるわけです。そこに問題が起きないような環境にするにはどうしたらいいかってことですよね。
そういうとこのお取引がほとんどメインなのですか?
松谷:そうですね。今はメインですね。
定期的にコンサルティング入って。
松谷:毎月チェックしながら、虫をラッピングしてレポートを書いてご提出しています。あとは通常ご存知のように、ねずみ駆除・ゴキブリ駆除・蜂駆除、その中の一環でいろんなところでやっています。例えば蜂駆除にしても蜂の巣を作らせないご提案をしたりもします。
なるほど。
松谷:工場は、どうしても人の出入りが多いので工場の敷地内に蜂の巣ができると危険ということで、春先から巣をここの工場のエリア外には作らせないようにしてほしいと。
そういうご依頼があって。
松谷:そうです。それで春先から蜂の巣を作らせないような対策を取っていくわけです。巣ができたら取るんじゃなくて最初から作らせないようにするというやり方ですね。ねずみにしてもゴキブリにしても考え方は一緒だと思うんですが、まずは入れないようなシステムを作ること。それが確立できればいい状態になるわけですね。

人に害が出ないように、極力、薬は使わない

今後の何か目標というか、方向としてはどういうことを何かありますか?
松谷:私が求めてきたものは基本的に殺虫をすることではなかったんです。環境改善をして虫を止めていくということが目標・目的でずっとやってきたものですから、基本的に一般家庭であろうとお店であろうと工場であろうとも、環境改善しながら虫を止めていかなくてはならないっていうのが大きい目標ではあります。
基本的に入れないようにする、中に入れないような体制をしていくっていうのが将来的な大きな目標です。そういう街を作っていきたいですね。害虫を100%室内に入れないのは難しいことなのですが、基本的にそういった環境をできるだけ作っていきたいという、それが大きい目標ではあります。
ほんとに極力、薬剤は使わないのですね。
松谷:使いたくないです。結局、薬剤っていうのは殺虫剤ですから。無害なわけがないんですね。殺虫剤で虫を殺すわけですから、人間にも害が出るんです。ただ人間の場合は、いろんなものに対して解毒をしています。化学薬品っていうのはあくまでも毒性は0ではないので、できるだけ使わないようなシステムを作り上げてきたほうがいいですね。
昔は、行政が機械を使って地域全体に薬を撒いたものですけど、あんなこと今はやれないですからね。少しずつクリーンな環境に持っていく必要があるんです。薬剤によっては人間に効果を出さないで、虫だけに効果を出すっていう【キチン形成阻害剤】っていうのもあるんです。虫の場合、脱皮をするためにキチンを形成して表皮を作るんです。
キチンってどういう字を書くんですか?
松谷:カタカナです。ゴキブリなんかもそうですが、虫は何回か脱皮して大きくなっていくんですね。その脱皮を阻害して成虫にさせないっていう薬があるんです。人間は脱皮しないですよね。別に脱皮をしないから。脱皮をする虫には効くけど、人間には影響がない薬とかがあるんです。
それはちょっと興味深い話ですね。
松谷:ゴキブリなんかもそれで効くという実験はあるんです。もちろん成虫になってしまえば、まったく脱皮をしないので効きません。キチン形成阻害剤というのは、脱皮した時に正常な脱皮ができないようにする薬でそのために成虫になる前に死んでしまうわけです。
成虫にならなければ次世代はでいきないということです。
それは薬としても出ているわけですね。
松谷:出ています。そういったものを利用して、人間に影響が出ないようにうまくやっていかないといけないですよね。これからも
なるほど。そういうものをうまく利用しながら、いわゆる昔の消毒・薬剤を撒くという考えから進んでいこうということですね。興味深いお話ありがとうございました。
終わりに
研究者であったが故に、できるだけ薬品を使わずという考えを強くお持ちであると松谷様。
環境や健康を第一に考えている業者様ですので、お子様がいらっしゃるご家庭や、薬品に過敏に反応してしまう方は一度ご相談されてみるのもいいのではないでしょうか。

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